歯ぎしりがセラミック歯に与える影響と対処法

「セラミック治療後から歯ぎしりが気になる…」 

「セラミック治療を検討中だけど、歯ぎしりへの影響が心配…」 

セラミックをおこなう際は、噛み合わせからしっかり作らなければ歯ぎしりの影響を受けて状態が悪化する恐れがあります。

 本記事では、セラミック治療が歯ぎしりに与える影響や対処法を解説します。 本記事を参考に、適切な対策や再治療の検討に役立ててください。

歯ぎしりがセラミックに与える影響

歯ぎしりで余計な力がかかってしまうと、セラミックが「外れる・割れる」などの原因になります。また、セラミックの対合歯が削れる恐れもあります。

このようなトラブルを避けるためにも、本来であれば噛み合わせ治療からおこなう必要があるのです。

以下では、歯ぎしりでセラミックに影響が出てしまう理由について解説します。

セラミックが外れる・割れる

歯ぎしりは、セラミックの耐久性に大きな影響を与える可能性があります。

強い力が繰り返しかかることで、歯とセラミックを接着する部分に隙間ができ、セラミックが外れる原因となります。

また、セラミックが割れる主な原因は、夜間の歯ぎしりなど無意識に加わる強い力です。通常の食事による影響は少ないため、過度に気にする必要はありません。

ただし、セラミックの不具合は、接着不良や不適切な歯の削り方など、治療技術の問題が原因である可能性も高いです。

対抗歯が削れる

歯ぎしりがある場合、ジルコニアなどの硬い材料で作られたセラミッククラウンは対合歯(噛み合う歯)に影響を与える可能性があります。

ジルコニアは非常に硬い素材のため、歯ぎしりの力で対合歯を削ってしまうリスクがあります。

ただし、適切な治療計画と丁寧な調整により、この影響を最小限に抑えられます。

歯ぎしりが起きる原因

歯ぎしりの主な原因は以下の3つです。

  • ストレス
  • 悪い噛み合わせや歯並び
  • 睡眠の質の低下

これらの要因によって筋肉の硬直が起こり、歯ぎしりが引き起こされます。

上記のうち、噛み合わせや歯並びが原因の歯ぎしりであれば、当院で解決できます。

セラミック前の噛み合わせ治療が重要

歯ぎしりを起こさないためにも、セラミック前の噛み合わせ治療が重要です。

事前の噛み合わせ治療により、セラミック装着後の歯ぎしりのリスクを大幅に軽減できるからです。

そのため、池田デンタルオフィス静岡では、噛み合わせに問題がある場合にはセラミック治療の前に噛み合わせ治療をおこないます。

一方で、多くの歯科医院では噛み合わせ治療をおこなわずに直接セラミック治療に進むことがあります。

歯ぎしりの種類

歯ぎしりと一重にいっても、実は種類が分かれています。

以下に歯ぎしりの種類についてまとめましたので、予備知識として参考にしてください。

歯ぎしりの種類歯の動き
グラインディング強く噛みしめた状態で左右にこすり合わせる
クレンチング歯を強く噛みしめる
タッピング歯をカチカチと小刻みに噛み合わせる

歯ぎしりからセラミックを守るための方法

歯ぎしりからセラミックを守る最も効果的な方法は、噛み合わせの改善です。

ストレスなど他の要因はコントロールが難しいため、噛み合わせの調整が根本的な解決策となります。

正しい噛み合わせでは、下顎を前後左右に動かした時に奥歯が接触せず、またスムーズに動かせるはずです。セラミック治療の際は、この理想的な噛み合わせを目指して設計することが重要です。

場合によっては、セラミック治療の前に矯正治療をおこなうことで、見た目と機能の両面で大きな改善が期待できます。

以下では対処療法としての方法を解説しますが、当院では噛み合わせの改善を推奨します。

ナイトガードをつける

ナイトガードは、歯ぎしりからセラミックを守る一つの方法です。歯と歯の間に装着するマウスピースで、衝撃を緩和する役割があります。

軽度の歯ぎしりの場合、柔らかいナイトガードでセラミックの表面の欠けを防げる可能性があります。ただし、歯ぎしり自体を止める効果は限定的です。

噛み合わせに問題があり、セラミック治療や矯正治療で改善が難しい場合、硬いナイトガードが選択肢となります。これにより擬似的に正しい噛み合わせを再現し、歯ぎしりの力をある程度コントロールできる可能性があります。

ボトックス注射をうつ

ボトックス注射は、咬筋(顎の動きを助ける筋肉)の働きを弱め、噛む力を軽減させます。そのため、歯ぎしりが続いても、セラミックが割れるリスクを下げられます。

ただし、効果は永続的ではありません。筋力は数ヶ月で元に戻るため、定期的な追加注射が必要になります。

また、副作用として咀嚼力が低下し、硬いものが噛みにくくなる可能性があります。

セラミックが歯ぎしり割れてしまった場合の対処法

セラミックが歯ぎしりで割れてしまった場合の対処法としては、以下の2つが挙げられます。

  • まずは治療したクリニックに相談する
  • 割れにくい素材に変更してもらう

ただし、先述したように歯ぎしりからセラミックを守る最も有効的な方法は噛み合わせの改善です。

ですので、可能であれば噛み合わせ治療からおこなってくれるクリニックに相談してください。

まずは治療したクリニックに相談

セラミックが歯ぎしりで割れてしまった場合、まずは治療を受けたクリニックに相談してみましょう。一定期間内の不具合に対して無料で対応する保証を設けている場合もあります。保証内容は歯科医院によって異なります。

ただし、同じ方法で再治療しても同じ結果になる可能性もあるため、治療法の再検討も必要です。

割れにくい素材に変更してもらう

セラミックが歯ぎしりで割れた場合、より強度のある素材へ変更を検討することは一つの対処法として考えられます。セラミックには様々な種類があり、歯ぎしりをする方には特に強度の高い素材が適している可能性があります。

しかし、この選択には慎重な考慮が必要です。割れの原因が過剰な力である場合、より強いセラミックに変更すると、その力が逃げ場を失い、他の部分や周囲の歯に悪影響を及ぼす可能性があります。

したがって、素材の変更を検討する際は、歯科医師と相談の上、全体的な口腔の健康と機能を考慮した上で判断しましょう。

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