なぜセラミック治療で口臭の悩みが起きるのか?原因と対策

「セラミック治療後から口臭が気になる…」
「セラミック治療を考えているけど、口臭がひどくなる場合もあるの?」

結論から言えば、不適切なセラミック治療は、口臭の原因になる恐れがあります。

本記事では、セラミック治療が口臭に与える影響や口臭が気になる場合の対処法を詳しく解説します。

セラミック治療と口臭の関係を正しく理解することで、治療前の不安を解消してください。また、セラミック治療後から口臭が気になるようになった方も、本記事を参考に、再治療を検討してみてください。

セラミックで口臭の悩みが生まれる原因

セラミックで口臭の悩みが生まれる原因として、主に3つが考えられます。

  • セラミックの設計不備(不良補綴物)
  • 歯根の状態に問題がある
  • ハイブリッドセラミックを使用している

以下では、それぞれが原因になる理由について解説します。

あわせて、「その他の要因としてよくある誤解」についても解説します。

セラミックの設計不備(不良補綴物)

セラミックの設計不備は、口臭の原因となります。

設計不備のセラミックは、余計な隙間や磨けない部分ができるため、歯垢や歯石が溜まりやすくなるのです。

よくあるのが、引っ込んでいる歯を無理に前に出して見た目を整えたセラミックや、ガタガタした歯を無理につなげたような設計のセラミックです。

このようなセラミックだと、口臭だけではなく、虫歯や歯周病の原因になります。

歯茎の奥に深く装着されたセラミックも口臭の原因になり得ます。

歯根の状態に問題がある

セラミック装着後、歯周病などが原因で口臭が発生することがあります。

歯周病の不十分な治療やケア不足により、セラミックと歯茎の間に細菌が繁殖(歯石が付着)し、口臭を引き起こします。

また歯根に感染が残存し、臭いの原因になっている場合もあります。

これらの治療が必要な場合や、セラミックの設計が歯周病の原因になっている場合には、セラミックを一度壊さなければいけないので、治療が1からのやり直しになる恐れがあります。

ハイブリッドセラミックを使用している

セラミックと呼ばれる素材のなかで、ハイブリッドセラミックは口臭の原因になる恐れがあります。

ハイブリッドセラミックは、安価ではあるものの、水を吸収し、変色しやすく、歯垢が付着しやすいデメリットがあるのです。そのため、口臭の原因や虫歯のリスクも高くなります。

長期的な歯の健康を考慮すると、使用を避けるべき素材ですので、当院ではハイブリッドセラミックは使用しておりません。

その他の原因

セラミック後の口臭の原因として、以下の内容が記載されているケースもあります。

  • 口腔乾燥が強い
  • 喫煙、アルコール

しかし、これらの要因はセラミック自体とは関係していません。

口腔乾燥や喫煙、アルコールについては、セラミックは関係していないものの、口臭の原因にはなりますので、日々の歯磨きなどのケアをしっかりとおこなうようにしてください。

セラミックによる口臭の原因を特定するには?

セラミック装着後の口臭で「自分のケアが適切にできていなかったのではないか?」と不安に感じる患者さんもいらっしゃいます。

しかし、通常のセルフケア(歯磨き)で改善しない口臭はご自身のケアの問題ではありませんので、安心してください。

セラミック治療後に口臭がひどくなる原因の多くは、セラミックの設計や治療方針に問題がある場合が多いからです。

池田デンタルオフィス静岡では、総合的な診断と治療を行い、適切な接着技術や時間をかけた丁寧な治療により、複雑な問題も解決した上でセラミック治療を実施します。

セラミックによる口臭への対応

毎日のケアをおこなっているのに口臭が気になる場合は、一度歯科医院で診てもらいましょう。

セルフケアだけでは解決できない原因が存在しているかもしれません。

セラミックによる口臭への対応は、基本的には再治療が必要になる場合が多いです。

以下では、再治療の具体的な内容について解説します。

セラミックの設計を変更する

治療をされたセラミックが、適切なセルフケア(歯磨き)ができる状態になっているかを確認します。

セラミックの設計に問題がある場合には、設計を変更して再治療が必要です。

基本的にはセラミックを作り直すしか方法がないので、セラミックを外し仮歯に置き換えて問題がないかを確認してから新たにセラミック歯を製作します。

歯根の位置に問題がある場合には、部分矯正を併用することでより見た目がキレイで、衛生的な状態を実現できる場合もあります。

歯根の状態を確認する

セラミックを被せた後は中の状態がどうなっているのか見えませんが、歯周病など歯根の感染が残存している場合があります。

このような場合は、レントゲンや歯科用CTで歯根の状態を確認するのが有効です。

問題が見つかれば、再治療をおこないます。

治療の内容にもよりますが、既存のセラミックを壊して、新たにセラミック歯を作り直さなければならないことも多いです。

セラミックの素材を変更する

ハイブリッドセラミックを使用している場合は、素材の変更を検討してみてください。

ジルコニアセラミックなどの素材に変更するだけで、口臭が改善する可能性があります。

既存のセラミックを除去し新たに装着するため、1からのやり直しとなります。

別のクリニックで診てもらう

セラミックによる口臭や違和感がある場合、別のクリニックでの診察も検討しましょう。

元の治療が適切でない可能性があり、セカンドオピニオンが問題解決につながることがあります。

「別のクリニックでやり直しはできないのではないか?」と考えてしまう患者さんも多いですが、実際はそうではありません。同じクリニックで再治療をしても同じような結果になる可能性が高いです。

口臭だけでなく、形や色に不満がある場合も、別のクリニックで再治療をお勧めします。

セラミック治療後に口臭で悩まないためには?

セラミック治療後に口臭で悩まないためには、クリニックの選び方も重要です。

たとえば、「歯科医師が治療計画やリスクを説明してくれない」「安さを売りにしている」歯科医院は注意した方が良いでしょう。

以下で具体的な注意点について解説しますので、歯科医院選びの参考にしてください。

治療のリスクを理解した上で検討する

セラミック治療後の口臭を防ぐためにも、治療のリスクなど、しっかりと説明を受けて理解したうえで検討しましょう。

一番は、健康な歯を削るリスクです。

無理やり見た目を整えるために、必要のない神経の除去や抜歯したりするなど、取り返しのつかない要素もあります。

口臭だけではなく、今後の歯の健康のためにも、治療内容は必ず確認してください。

「安さ」だけを売りにしている場合は注意

個人的には、治療費の「安さ」を売りにしているクリニックはおすすめしません。

安さを追求するために必要な工程を省いたり、短い時間で処置をするなど治療の質が低い可能性が高いからです。

また、治療費が安いということは、セラミックの製作に十分なコストをかけられないので、真っ白な四角い歯になるなど、セラミック歯の質が低い場合が多いです。

自然で美しい歯にしたいと考えているなら、治療費が安いクリニックは避けた方が無難です。

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